新型コロナでの看護師への影響

新型コロナウイルスが蔓延する中、看護師たちはとてもストレスフルな毎日を送っています。パンデミックが起こった当初、看護師は自分のための防護器具である消毒液やフェイスシールド、マスクなどが十分に確保できない状態が続きました。マスクについては、紙マスクを毎日洗浄して使い回すといった事態も起こりました。

さらに、患者への対応方法も困難になりました。緊急事態宣言は解除されたといっても、現在でも多くの医療機関で面会制限や面会禁止などの処置が取られています。そのため、患者の家族からのクレームなども増えたと聞きます。さらに、面会制限による入院患者の認知度の進行などの問題もありました。

また、新型コロナウイルスはまだまだ未知の感染症であるがゆえ、緊張によってメンタル的な不調を訴える患者も増えたそうです。医療機関によっては、カウンセラーを導入したり、メンタルヘルスチームを結成しています。なお、新型コロナウイルスに感染している患者の対応を行う医療機関では、人工呼吸器やECMOを装着した患者が急増。これは、従来患者2人に対して看護師1人であったのが、患者1人に対して看護師が4人必要となり、看護師が多忙になることを意味します。

日本赤十字社では、新型コロナウイルスによって、「生物学的感染症」と「心理学的感染症」、「社会学的感染症」の3タイプの感染症を引き起こすと分析されました。生物学的感染症は、ウイルスによって引き起こされる疾病そのもので、心理学的感染症は、未知のウイルスに対する不安や恐怖、社会学的感染症は、感染者に対する差別や偏見です。このような事態は今後も起こると予測されており、感染症に特化した看護師を目指す人も増えているようです。